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長寿の秘訣は「平等社会」

長寿国日本~世界でナンバー・ワン

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 2018年の時点で日本人の平均寿命は84.21歳。香港(84.93歳)に次ぐ世界のナンバー・ツーだ。

 G7諸国では、イタリアが82.95歳、フランスが82.53歳、カナダ81.95歳、イギリス81.36歳、ドイツ80.99歳、アメリカ78.54歳となっている。つまり、大国の中では日本が最も長寿という事なのだ。

 世界保健機関(WHO)が2019年4月に公表した「世界保健統計」によると、2016年の世界の男女合わせた平均寿命は72.0歳。日本や欧米など高所得国の平均寿命が80.8歳に達した一方、アフリカなどの低所得国は62.7歳に留まり、WHOの当局者は「国の豊かさによる格差がはっきり表れた」と指摘している。

 香港は特別行政区ではあるが、今や中国の一部なので、国としては、日本が世界一の長寿国という事になる。

 男女別でみると、男性は81.1歳(2016年)でスイス81.2歳に次いで世界ナンバー・ツー。女性は87.1歳(2016年)で世界ナンバー・ワンになっている。日本の場合、女性は男性より6年長生きするという事だ。これは、同じ長寿国スイス(男女差は4.1年)、オーストラリア(男女差は3.8年)、スペイン(男女差5.4年)等と比べてもより大きな男女差になっている。日本の女性は世界のどの国よりも逞しく、長生きだということのようだ。

Hyejin Kang/Shutterstock.com

「女性の方が長生き」のわけ

 自立した生活が出来る期間は「健康寿命」と呼ばれるが、日本は74.8歳。此処でもシンガポール(76.2歳)に次ぐナンバー・ツー。平均寿命と同様、G7の中ではナンバー・ワンとなっている。フランス73.4歳、カナダ73.2歳、イタリア73.2歳、イギリス71.9歳、ドイツ71.6歳、アメリカ68.5歳になっている。平均的日本人は、例えば、平均的アメリカ人より5.7年長生きをし、又、健康寿命でも6.3年長くなっている。

 世界のほとんどの国で女性の方が男性より長生きしているが、その理由として、先天的な生物学的要因と後天的な社会文化的要因が挙げられている。人間だけでなく、他の生物についても、雌は雄よりも長生きであるという。これは子孫を残し、種を存続させるための自然の摂理でもあるという。

 しかし、人間の男女の寿命にかくも大きな開きがあるのは、後天的ないし社会文化的要因によるところが大きいという。

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