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〈テレワーク意外な落とし穴〉パソコンなどをスマホ経由でネットにつなぐ

PCなど他の機器はスマホ経由でネットにつなげるが、注意すべき点は多々ある

斎藤幾郎 テクニカルライター

 テザリングを使うための手順の大きな流れは以下の通りになる。画像を使った細かい説明は次ページ以降を参照してほしい。

 まず、スマートフォン側で「設定」アプリを開いて機能を有効化する。アンドロイドスマートフォンでは、「ネットワークとインターネット」などの項目→「テザリング」と書かれた項目の順に選択し、「Wi-Fiアクセスポイント」の機能を有効化する。

 iPhoneでは、「インターネット共有」の画面を開き、「ほかの人の接続を許可」と書かれたスイッチをスライドさせると機能が有効になる。これらの項目が画面にない場合は、通信事業者にテザリングの申し込みが必要であるか、その端末と通信事業者の組み合わせではテザリングが使えない可能性が高い。

 次にパソコンを内蔵のWi-Fi機能を使ってスマートフォンに接続する。手順はWi-Fiルーターに接続する場合と同じ。接続先の名前は、アンドロイドなら上の設定画面内にある「アクセスポイント名」や「ネットワーク名(SSID)」、iPhoneなら設定画面内の「Wi-Fiで接続するには」の部分に書かれた名称(端末名)を選ぶ。ウィンドウズの場合、続けて表示される「ネットワークセキュリティキー」は、スマートフォンの設定画面にある「パスワード」を入力し、「このネットワーク上の他のPCやデバイスが、このPCを検出できるようにしますか?」という質問に対しては、意味がわからなければ「いいえ」を選ぶ。

 エラーなどが表示されなければ、これで準備は完了(パソコンに入っているソフトによっては、追加の確認画面が表示されるかもしれない)。ウェブサイトを開くなどして、実際に通信できるか確認してみよう。なお、テザリングの利用中は、スマートフォンも普通に利用できる。好きなアプリを動かして良いし、もちろんインターネットも使える。

 テザリングが不要になったら、念のため、スマートフォン側でテザリングの機能を無効化してパソコンとの接続を切っておこう。設定はそのまま残るため、次に使う際は、機能を有効にするだけで、パソコン側からは自動的に接続されるはずだ。

 テザリングの利用中にパソコンからの通信量を節約したければ、ウィンドウズ10なら次の設定も効果がある。

 テザリング先のスマートフォンと接続した状態で、ウィンドウズ10の「設定」アプリを開き、「ネットワークとインターネット」→「データ使用状況」の順に選択する。表示された設定画面で、「次に関する設定の表示」がテザリングをしているスマートフォンであることを確認し、「バックグラウンドデータ」の制限を「常時」に設定する。「データ通信量の上限」を指定することも可能だ。

 この設定をした後は、「設定」アプリのホーム画面に戻って、「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「詳細オプション」の順に選択。「従量制課金接続を使って更新プログラムをダウンロードする」の項目が「オフ」(無効)になっていることも確認しておこう。これらの設定で、ウィンドウズがユーザーに見えないところで行っている通信をある程度抑制できる。

 また、パソコンにWi-Fi機能が内蔵されていない場合は、USB端子に接続するWi-Fiアダプターを購入するとよい。あるいは、スマートフォンとUSBケーブルで接続してテザリングを使うこともできる。この場合、Wi-Fi接続の設定は不要だ。ただし、充電専用ケーブルは使えないので注意しよう。


筆者

斎藤幾郎

斎藤幾郎(さいとう いくお) テクニカルライター

1969年、東京都生まれ。テクニカルライター。累計230万部を超えた「パソコンで困ったときに開く本」「スマホで困ったときに開く本」(朝日新聞出版)の監修、執筆を担当する。日経パソコンなど、パソコン誌を中心に執筆。入門者向けの解説に定評がある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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