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地方議員2万人近くが回答、前代未聞の大アンケートに基づく一冊

「地方議員は必要か 3万2千人の大アンケート」NHKスペシャル取材班 (著)

与謝野 信 ロスジェネ支援団体「パラダイムシフト」代表

「地方議員は必要か 3万2千人の大アンケート」NHKスペシャル取材班 (著)

 NHKは昨年の統一地方選にあわせて地方議員に対する大規模、かつ本音に迫る詳細なアンケート調査を実施し、その調査結果をもとにNHKスペシャル「崖っぷち!? わが町の議会」を制作、放送した(2019年4月27日放送)。

 本書は、この大規模アンケートの結果を全面的に精査しなおし、放送後に寄せられた意見および追加取材で得られた内容などをまとめて書籍化したものである。

回答率6割、「かつてない規模の実態調査」

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 本アンケートの設問数は126項目におよび、かつ質問内容がいわゆる選挙時に各マスコミがおこなう「候補者アンケート」のような個別政策・案件に対する政治姿勢を問うものではなく、議員になったきっかけ、立候補の際に家族の理解は得られたか、日頃の議員活動について、はては「議会は本当に必要かと思う時がある?」という設問まである、議員としての生き方や本音に踏み込んだ非常にめずらしい内容であった。

 回答した議員は2万人近くで回答率は約6割という「かつてない規模の実態調査」と専門家から評価を受けたのも頷ける貴重な資料である。

 このため、定量的なアンケートの結果を見るだけでも非常に興味深いのだが、本書では自由回答欄に書かれたさらなる定性的な本音も紹介、ときには追加取材をおこないより深い実態に迫っており、多くの人にとって実はあまり馴染みのない地方議会の実態や課題がよくわかるようにされている。

 本書は全八章から成り立つが、第1章で地方議会の制度的な役割を説明、続く第2~5章では地方議会が抱える問題、課題として、行政・首長との議会のなれ合い(第2章)、問題議員や政治とカネの問題(第3章)、地方議会における女性議員の苦労と壁(第4章)、町や村の議会で顕著な議員への「なり手不足」(第5章)の各問題を取り上げ、アンケートから得られた定量的・定性的データと取材をもとに問題とその背景を分析している。

 最後の三章(第6〜8章)はさらにユニークな内容となっており、第7章では選挙運動に関する家族の反対や選挙や政治活動に関わる費用、そして「議員の身分」などについて現職の議員達の赤裸々な本音をあぶり出し、第8章では各地での議会のありかたの模索として、マイノリティーの当事者などが議員になって活躍する例などが挙げられている。

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筆者

与謝野 信

与謝野 信(よさの・まこと) ロスジェネ支援団体「パラダイムシフト」代表

1975年東京生まれ。中学2年から父親の海外転勤に伴いフランスとイギリスで5年間過ごす。1999年に英国ケンブリッジ大学経済学部卒業後、外資系証券会社に入社し、東京・香港・パリでの勤務でデリバティブや資産運用に関わる業務に従事。2019年4月、氷河期世代支援の政策形成をめざすロビー団体「パラダイムシフト」を発足した。 TOKYO自民党政経塾生(第11期)2017年千代田区長選出馬(次点)、同年衆院選自民党比例東京ブロックから比例単独で出馬(次点) 財務相、官房長官を歴任した故・与謝野馨は伯父にあたり、歌人の与謝野晶子は曽祖母にあたる。

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