「米国からみた戦争、原爆、日本」を知る一冊
2020年07月04日
Countdown 1945
The Extraordinary Story of the Atomic Bomb and the 116 Days That Changed the World
Chris Wallace (著), Mitch Weiss
本書は2020年6月9日に英語での原書が発行されたばかりで、現時点ではまだ翻訳版は刊行されていない。
先に断っておくと、本書は日本人にとっては読み進むにあたり胸が痛むのは避けられないし、精神的に厳しい内容である。それは本書が徹底的に「アメリカ側の視点」で描かれているからだ。
様々な原爆に関わった人たちが登場するが、日本人は広島で原爆の被害を体験した当時10歳の少女以外は、全員基本的にはアメリカの人々である。そしてこれらの人々は「敵国」である日本に対しては当然厳しい見方を持っている。
著者のChris Wallace (クリス・ウォーレス氏)は著名なニュースキャスターであり、1975年からNBCを皮切りに長年にわたりABCやFOXニュースといった主要テレビ局のニュース番組でアンカーとして活躍、近年ではFOXニュースにおいて“Fox News Sunday”のホストを務めている。Mitch Weiss(ミッチ・ワイス氏)はAP通信の調査報道ジャーナリストで、2004年にピューリッツァー賞を受賞している。
著者がジャーナリストだということもあり、本書は「歴史学」や「歴史文学」といったものとは違う「ドキュメンタリー」の側面が強い。原爆投下に至る116日間を様々な人々が目にした光景を積み重ねていき、実際に何が起きたかを描こうとしている。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください