若者に選ばれる企業へ、キーワードは「自律性」
こうした若者からの「ニーズ」にどう企業は応えていくべきか。
キーワードは「自律性」である。
これまで「メンバーシップ型」雇用の象徴になっていた、強制的なジョブローテーションや転勤、消化できない有給制度・男性の育休制度を取り止め、自律的に選択できるよう制度を抜本的に見直していくことだ。
今回、コロナ禍によって半強制的にリモートワークの導入が進んだが、今後はリモートワークも「選択」できる働き方が求められていくだろう。
そしてそれを実現するためには、客観的に評価できるための「成果主義」導入や「ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)」の明確化、つまり「ジョブ型」への移行が重要になってくる。
ただ、「成果主義」を導入すると言っても、これまでの「成果主義」は、年功序列を前提とした右肩上がりの給与を引き下げる手段として導入されてきた側面が強いが、今後は適正な評価のためのツールになるよう注視が必要である。ここ20年間、先進国で日本だけが給与水準が上がっていないことを考えると、基本的には引き上げていかなければ日本の競争力は下がる一方であろう。
一方で、若者側にも、今後は自律的なキャリア選択、スキルアップが求められていくことになる。
現状では、受動的なキャリア選択や、キャリア教育が不足していることから、今後必要なスキルに対しての感度が非常に低いが、今後は「自分は何のプロフェッショナルなのか(になりたいのか)」、「それにはどんなスキルが必要なのか」、自ら考え身につけていく努力をしなければならない。
もちろん、大学・大学院の家計負担軽減、リカレント教育の拡充といった企業外のスキル構築の機会の充実が必要である。

デロイトトーマツグループ「ミレニアル年次調査2020年版」から