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コロナ禍で浮き彫りになる働く人びとの格差

障がい者が包摂され、活躍できる組織・社会を実現するには

二神枝保 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授・日本学術会議連携会員

高い感染リスク、救命医療の差別……保護強化求める国連提言

 こうしたなか、国連は、2020年5月6日に障がい者は健常者に比べて新型コロナウイルス感染で重症化し、死亡するリスクが高いことから、障がい者の保護強化を求める提言を発表している。

 世界の障がい者の数は、世界人口の約15%、約10億人と推定されている。新型コロナで重症化する危険が高いとされる60歳以上の高齢者では、全体の46%に達している。介助が必要な人や介護施設の入所者も多いため、感染リスクが高い。集中治療室(ICU)や人工呼吸器の利用で差別的な基準に基づいて優先度を下げられる例もあるという。そして、景気悪化の影響で職も失いやすい。

 したがって、国連は、障がい者保護策として、ウイルス対策情報やサービスの提供、情報発信の際に手話を提供すること、救命医療での差別撤廃、介護施設での感染予防強化、補助金増額などを提言している。

障がい者のディーセント・ワークは時代の趨勢

 仕事をすることは、ウェル・ビーイング(幸福)の重要な源泉のひとつである。障がいのある人びとがディーセント・ワークを実現することは、時代の趨勢である。ディーセント・ワークとは、ILO(国際労働機関)が提唱する概念であり、働きがいのある人間らしい仕事である。

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筆者

二神枝保

二神枝保(ふたがみ・しほ) 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授・日本学術会議連携会員

早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了。京都大学経済学博士。チューリッヒ大学客員教授。ILO(国際労働機関)客員教授。WHU客員教授。ボルド―・マネジメント・スクール客員教授。ケッジ・ビジネス・スクール客員教授。専門は経営学、人的資源管理。研究業績に、『人材の流動化と個人と組織の新しい関わり方』(多賀出版)、『キャリア・マネジメントの未来図』(八千代出版)、『雇用・人材開発の日欧比較:ダイバーシティ&インクルージョンの視点からの分析』(中央経済社)、Sustainable Development and Energy Transition in Europe and Asia(WILEY)、 The Changing Global Environment in Asia and Human Resource Management Strategies(NOVA Science Publishers)ほか国際ジャーナル掲載論文多数。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです