メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

東大卒20代社長「社会変革の志」~コロナ禍を逆手に成長するベンチャーの秘訣

「どこでも手洗い機」「機械部品の発注と受注を相見積もりなしにAIでマッチング」

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 多くのベンチャー企業が日々登場し退場していく。成功と失敗を分ける主要な要因は、そのビジネスに「社会変革の志」があるかどうかである。社会が抱える問題を少しでも解決したいという志が共感されれば、多くの協力者が集まり、資金支援を受けて成長できる。

 そんな視点から、今注目されている2つのベンチャー企業の成長の要因を探ってみたい。

 1社は、ポータブルの「水循環ろ過システム」を開発したWOTA社(前田瑶介社長)。もう1社は、「100年間変わらない」とされる部品調達の世界でイノベーションを起こしつつあるキャディ社(加藤勇志郎社長)である。

 いずれも創業から数年しか経っていないが、コロナ禍を逆手にとって成長中だ。社長は2人とも20代後半、ともに東大卒後にベンチャーの世界に飛び込んだ。両社長に、ビジネスの現状と現状打破の意気込みを聞いた。

先行予約600台が即日完売「どこでも手洗い機」

 WOTA社は今年7月半ば、20リットルの水を循環ろ過して500回の手洗いができる「どこでも手洗い機(WOSH)」(下の写真)を開発した。水道がなくてもコンセントがあればOKだ。

拡大JR新宿駅の商業施設NEWoMan入口に設置された“どこでも手洗い機”=筆者写す

 WOSHは水を活性炭や逆浸透膜(RO膜)のフィルターでろ過し、紫外線や塩素で消毒する。水質はセンサーが監視し、WHOの水質基準に合うよう、ゴミ・細菌・ウイルス・微量の有機物まで99.999%を除去する。

 「いわば浄水場を10万分の1に縮小し、専門職員の技をAIが実行している」と前田社長。

 ふつう500人が水道で手洗いすれば数100リットルの水を消費する。20リットルを繰り返し使うWOSHの節水率は95%以上だ。レンタル制で月額2万2000円。11月からの本格生産を前に600台の先行予約を募集したところ、即日完売した。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

木代泰之の記事

もっと見る