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高齢化は進んでも「健康な老人」が多い日本

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 日本の総人口は令和2年9月1日現在で、1億2581万人で前年同月に比べ32万人減少している。実際、日本の人口は平成21年をピークに11年連続で減少し続けている。そして「世界人口統計2019」によると、減少は今後も続き、2050年には1億580万人に、2100年には7496万人にまで減少とされている。

 人口が減少するのは日本だけではなく、2019年から2050年の間に55の国と地域で1%以上減少すると予測されている。そのうち26ケ国と地域では10%以上の人口減少があるとされているのだ。

 20%以上の大幅な人口減少が予測されているのは、ブルガリア、ラトビア、リトアニア等で、これには高い移民流出率も影響しているという。

 ただ、世界全体でみると、人口は増加し続け、2050年には97億人2100年には110億人に増加するとされている(国際連合の発表)。そして、人口増加分の8割をアフリカが占めるというのだ。

 2015年のアフリカの人口は12億人だったが、2050年には25億人、2100年には44億人と85年間で32億人増加すると予測されている。世界の人口の増加予測が38億人なので、人口増加分の8割超をアフリカが占めることになる。

Arthimedes/Shutterstock.com

日本の高齢化を追う中韓

 現在、最も人口が多い地域はアジア(2015年44億人)だが、2050年に53億人に達した後は、減少局面を迎え、2100年には49億人にまで下がるとされている。

 アジアの人口大国、中国の人口は2030年に14億6434万人でピークを迎え、2050年には11億241万人、そして2100年には10億6499万人まで下がるとされている(国連の世界人口見通し2019年改訂版)。インドも2060年には16億5159万人とピークを迎え、その後減少に転じ、2100年には14億5042万人まで低下するとの予測。

 そして、日本では急速に老齢化が進んでいるが、中国、韓国も急速に日本を追いかけている。

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