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菅首相に聞かせたいバイデンの言葉~学術会議問題と米大統領選を比べてみた

米TVメディアの批判精神は健在。痛感する日本との落差

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 バイデン氏の当選がようやく決まった。

 この数日、筆者は朝から深夜までCNNテレビの開票速報を見ていた。トランプ大統領に批判的なメディアである。情勢分析は的確で飽きなかったが、とりわけ11月5日夜(現地時間)、トランプ氏がホワイトハウスで行った記者会見の中継は見ものだった。

CNN、大統領会見に「根拠なし」のテロップを張り付ける

 ちょうどバイデン氏が郵便投票の開票と共に勢い付いてきた時で、トランプ氏は「不正な選挙が行われている」「郵便投票は詐欺に満ちている」と繰り返し、「裁判に訴える」と述べた。焦りと疲労の色が見て取れた。

 すると、会見が始まって間もなく、CNNの画面に「Without any evidence, Trump says he’s being cheated(何の根拠も示さず、自分は騙されているとトランプは言っています)」という、視聴者に注意喚起するテロップが、画面の下部に張り付けられたのだ。

拡大トランプ会見終了後、テロップを貼り付けたまま解説するキャスター=CNNより

 大統領の演説を実況中継しながら、同時にその発言内容を「根拠なし」と全面否定している。そのテロップは17分間の会見の最後まで消えなかった。


筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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