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東京五輪を政権維持の道具にしていいのか

たくさんの期待や欲望を背負わされた五輪。中止の決断を急げ

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

9月のパラリンピック閉幕直後に衆院解散か

 このように政権にとっての五輪は、国民の命を守ることより重要な、栄光に満ちたイベントである。「コロナウイルスに打ち勝った証し」「世界の団結の象徴」――菅首相は世界にそう誇らしく宣言する自身の姿を思い描いているのだろうか。

拡大
 五輪開催は、低支持率の菅首相にとって再生のチャンスである。五輪パラを予定通り開催し、閉幕後は国民の高揚感が覚めないうちに解散・総選挙に打って出る、というシナリオが有力視されている。

 つまり五輪パラを「政権維持の道具」として上手く使うことが首相の期待であるから、五輪を止めるという判断は出てこない。

 それはIOCも同じことだ。元々、IOCは五輪の実行を目的とした組織である。テレビ放映権料などの商業利権を享受しているから、止めるという発想がない。

拡大国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(左)と「グータッチ」をする菅義偉首相=2020年11月16日、首相官邸

コロナの新たな変異種が登場する可能性も

 しかし、首相の期待には二つの壁がある。

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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