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21世紀前半の経済はアジアの時代に~レポート「2050年の世界」が予測する大幅な経済変動

2100年の世界の人口は、アジアとアフリカが8割占める

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 ロンドンを本拠地とする世界最大級のプロフェッショナル・サービスファームであるプライス・ウォーターハウス・クーパース(PWC)は、最新の調査レポート「2050年の世界」 では、先進国から新興国への経済力のシフトは長期にわたって継続すると予測し、特にインド、インドネシア、ベトナムが著しく成長するとしたのだった。

 このレポートは、世界経済が2016年から2050年まで、年平均実質成長率2.5%のペースで成長し、経済規模が2042年までは倍増すると予想している。そして、その成長の主なけん引力となるのは新興市場と開発途上国。ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、トルコの新興7カ国(E7)は今後34年間、年平均3.5%のペースで成長。それに対し、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカの先進7カ国(G7)の成長はわずか1.6%程度に留まると見ている。

拡大bluebay/shutterstock.com

 PWCのチーフエコノミストで、このレポートの共同執筆者であるジョン・ホークスワース(John Hawksworth)は次のようにコメントしている。「世界の経済力は、先進国からアジアやその他の地域の新興国に向けたシフトが引き続きみられるでしょう。E7の世界GDPにおけるシェアは2050年までに約50%まで上昇する一方で、G7のシェアはわずか20%強まで低下する可能性があります」

日本のGDP、2050年には世界8位に

 2016年の購買力平価(PPP)ベースでのGDPのトップは中国(21兆2690億USドル)、これにアメリカ(18兆5620億USドル)、インド(8兆7210億USドル)、日本(4兆9320億USドル)、ドイツ(3兆9790億USドル)が続いているが、これが2050年になると、トップの中国(58兆4990億USドル)は変わらないが、2位はインド(44兆1280億USドル)、3位がアメリカ(34兆1020億USドル)、4位がインドネシア(10兆5020億USドル)、5位がブラジル(7兆5400億USドル)に代わるという。因みに、日本は第8位(6兆7790億USド)で、ロシア(第6位)とメキシコ(第7位)にも抜かれることになるという。2050年のトップ5のうち、3カ国(中国、インド、インドネシア)がアジアの国という事になる。21世紀前半はまさに、「アジアの時代」となるとの予測だ。

 2016~2050年の年平均実質GDP成長率のトップはベトナム(5.0%)、これにインド(4.8%)、バングラデシュ(4.6%)、パキスタン(4.3%)、フィリピン(4.2%)が続き、トップ5はアジアが占めている。中国は3.2%と、コロンビア(11位)、メキシコ(12位)に抜かれ13位なのだが、それでも、2050年のPPPベースのGDPでは前述したようにトップに立っている。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

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