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司馬遼太郎史観の問題点〜日本は昭和に入って堕落したのか

「小さな国」ではなかった日本

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

日本は昭和に入って堕落したと説く司馬

 そして、司馬は、日本は昭和に入って堕落したと説くのである。彼は昭和の歴史について、著書「この国のかたち」のなかで、「明治の夏目漱石が、もし昭和初年から敗戦までの『日本』に出会うことになれば、相手の形相のあまりの違いに人違いするに違いない」と述べている。しかし、明治という時代が素晴らしく、昭和に入って時代が暗転していったという見方は歴史の継続性という点を過小評価しているのではないだろうか。確かに、5.15事件、2.26事件を経て、陸軍の力が無視できないものになっていったのは間違いないだろう。しかし、陸海軍の力は日清、日露戦争を契機に明治時代でも大きなものだったし、それが昭和に入って急変したと考えるのはかなり無理があるように思えるのだ。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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