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「生命の危機が遠のいてもそこはゴールではない」 新型コロナ対策のロードマップ

東京都23区の特別区長会副会長、成澤廣修・文京区長に聞く

岩崎賢一 朝日新聞社 メディアデザインセンター エディター兼プランナー

国の急な接種スケジュールの発表で混乱拍車

――各地の基礎自治体でなぜ、予防接種の予約で混乱が起きてしまったのでしょうか?

 国は3月上旬、4月中に高齢者の接種を始めるという大方針を示しました。そのため、各自治体、少なくとも文京区は、急いで接種券の印刷を始めました。ワウチンの輸入が遅れるとアナウンスがあれば、5歳ごとの年齢区分で分けて印刷することができ、予約も年齢区分ごとに受け付けることで混乱を回避することができました。しかし、印刷してから手作業で仕分けるのは不可能です。

 さらに今回、突然、7月末までに高齢者接種を終えるという方針を示しました。予防接種の実務を行う基礎自治体では、職員に再び負荷がかかっています。人口が多い基礎自治体の中には、集団接種会場の1レーンで1時間に接種する人数を、当初の20人から25人や30人に増やし、計画上の接種人数を増やす方法をとって国の方針に合わせようとしていると聞きます。国の方針が揺れると、医療従事者や自治体職員は大変です。

 自治体の中には、集団接種と、医療機関で行う個別接種を並行して行うケースがあります。人口の多い自治体は、個別接種の予約を医療機関に任せる方法を取らざるを得ない一方、医療機関も電話が殺到すると通常診療に支障をきたすため、一覧表から医療機関名を削除してほしいという混乱も起きています。

キーパーソンに聞く・文京区長インタビュー拡大「自衛隊大規模接種センター」で、新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける高齢者=2021年5月24日午前8時9分、東京・大手町、代表撮影

――自治体によっては個別接種も自治体の予約サイトで行う方法をとっているところがあります。

 人口が少ない自治体は医療機関の数も少ないので、細かな枠の設定を自治体の予約サイトで行うことができます。しかし、人口が多い自治体は、医療機関の数が100を超えるために無理です。

 文京区では、住所で振り分けることを予定しています。区民には「地域の中のどの医療機関になるかわかりません」と知らせたうえで、予約を受け付ける「仮予約方式」をとります。後日、区が申し込みした区民を各医療機関に当てはめ、郵便かメールで通知する形にしています。これだと医療機関に負担をかけません。

 こうした色々な工夫を各自治体で行っているところです。

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筆者

岩崎賢一

岩崎賢一(いわさき けんいち) 朝日新聞社 メディアデザインセンター エディター兼プランナー

1990年朝日新聞社入社。くらし編集部、政治部、社会部、生活部、医療グループ、科学医療部などで医療や暮らしを中心に様々なテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクター、アピタル編集、連載「患者を生きる」担当、オピニオン編集部「論座」編集を担当を経て、2020年4月からメディアデザインセンターのバーティカルメディア・エディター、2022年4月からweb「なかまぁる」編集部。『プロメテウスの罠~病院、奮戦す』『地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン』(分担執筆)。 withnewsにも執筆中。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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