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「病気の怖さ」と「社会的に糾弾される怖さ」 バランスが変わった新型コロナ

DeNAの柔軟なガイドラインを作った三宅邦明CMO(元厚労省感染症課長)に聞く

岩崎賢一 朝日新聞社 メディアデザインセンター エディター兼プランナー

変異株が第一のゴールを押し下げた

――ワクチン接種率の目標値についてはどう考えますか? アメリカではワクチンを受けたくないという人、接種率が低い若い年齢層の人に、どのようにしたら接種してもらえるのかという課題が浮上しています。

 一つ目のゴールラインは、ちょっと前までは、高齢者の接種が一巡したところと考えられていました。高齢社会の日本では、重症化や死亡するリスクの高い高齢者の接種率が7~8割になれば、重症者や死亡者は大幅に減るだろうと考えられていました。そこが最大の山場だと思っていたわけです。その後に、成年層や若年層への接種を進めることによって、経済活動への制約が緩和できると思っていました。

 ここにきて、変異株という新しい要素が出てきたため、状況が変化してきています。50代や60代でも結構な割合で重症者が出ているからです。高齢者への接種が7月や8月に終わったとしても、重症者や死亡者が減る状態は後ろ倒しになったと思います。一つ目のゴールラインが遠のいた感じです。

 アメリカのように個人の選択の自由として接種しない人へのアプローチは、二つ目のゴールラインに向けての施策だと思います。リスクとベネフィットを考えたとき、高齢者はある程度納得してくれていると思いますが、65歳未満の層で接種を考えあぐねている人にどうアプローチして背中を押すかが、最終的なゴールラインに向けての課題だと思います。

拡大

――私たちが目指すゴールラインを二つにわけて考え、その間、流行の波をできるだけ低く抑えていくことが大切ということでしょうか?

 第一のゴールラインに到達すれば、重症者、死亡者があまり出なくなるので、経済活動の規制をある程度緩めることができると思います。だたし、出入国の管理を新型コロナ以前のように戻すことや、大声をだしてお酒を飲んでいいということにはなりません。二つ目のゴールラインに到達するまでは、マスクを外してもいいということにならないと思います。「アフターコロナ」と言えるのは、二つ目のゴールラインを超えてからです。

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筆者

岩崎賢一

岩崎賢一(いわさき けんいち) 朝日新聞社 メディアデザインセンター エディター兼プランナー

1990年朝日新聞社入社。くらし編集部、政治部、社会部、生活部、医療グループ、科学医療部などで医療や暮らしを中心に様々なテーマを生活者の視点から取材。テレビ局ディレクター、アピタル編集、連載「患者を生きる」担当、オピニオン編集部「論座」編集を担当を経て、2020年4月からメディアデザインセンターのバーティカルメディア・エディター、2022年4月からweb「なかまぁる」編集部。『プロメテウスの罠~病院、奮戦す』『地域医療ビジョン/地域医療計画ガイドライン』(分担執筆)。 withnewsにも執筆中。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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