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おっとりした殿様企業の社風を変えた社長交代劇

【4】三菱電機の社内政変/1998年

大鹿靖明 ジャーナリスト・ノンフィクション作家(朝日新聞経済部記者)

リストラを嫌う温情体質ゆえの高コスト体質

 三菱グループのドンだった東京三菱銀行の伊夫伎一雄相談役は同じころ、監査役を務める三菱電機の取締役会で北岡と一戦を交えるつもりで準備していた。1月末の取締役会で北岡は赤字転落の理由を長々と説明したが、伊夫伎はそれを聞き終えると、北岡に向かって「赤字になった理由はわかった。それで98年度、99年度はどうするんだ」と言い放った。

 ふだん発言することがない社外出身の監査役、それも三菱銀行の頭取、会長を歴任し、三菱金曜会の重鎮である伊夫伎の厳しい口調に出席者は一様に驚いた。北岡は伊夫伎を納得させるような返答ができない。苛立った伊夫伎が二の矢を放つ。「これから

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筆者

大鹿靖明

大鹿靖明(おおしか・やすあき) ジャーナリスト・ノンフィクション作家(朝日新聞経済部記者)

1965年、東京生まれ。早稲田大政治経済学部卒。ジャーナリスト・ノンフィクション作家。88年、朝日新聞社入社。著書に第34回講談社ノンフィクション賞を受賞した『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』を始め、『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』、『ヒルズ黙示録・最終章』、『堕ちた翼 ドキュメントJAL倒産』、『ジャーナリズムの現場から』、『東芝の悲劇』がある。近著に『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』。取材班の一員でかかわったものに『ゴーンショック 日産カルロス・ゴーン事件の真相』などがある。キング・クリムゾンに強い影響を受ける。レコ漁りと音楽酒場探訪が趣味。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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