米当局が過去30件の事故を調査へ。無人運転、裏技、居眠りも
2021年07月01日
テスラの自動運転システムを搭載したEV(電気自動車)の事故が米国で相次いでいる。ロイター通信は6月、米道路交通安全局(NHTSA)が同システムの使用が疑われる30件の事故(2016年以降、計10人死亡)について調査を始めた、と報じた。
また日経新聞によれば、中国でも自動運転中のテスラ車で急加速や電池火災が起き、消費者から批判が出ている。国家市場監督管理総局は6月、テスラが19年以降に販売した車の9割にあたる約29万台をリコールすると発表した。
EVと自動運転の先頭を走ってきたテスラに、一体何が起きているのか。
NHTSAの調査のきっかけになったのは今年4月、テキサス州ヒューストン近郊で起きた事故だ。車は最上級の「モデルS」(上の写真)で、高速でカーブを曲がり切れず樹木に衝突・炎上し、2人が死亡した。
事故直後の検分は「運転席に人はいなかった」だったが、NHTSAは原因が自動運転システムだったのかどうか慎重に調べている。
テスラ車には、先行車両との距離を一定に保つ「オートパイロット」が標準装備され、追加オプションとして、車線変更もできる「完全自動運転(FSD)」がある。
FSDは約1万ドル(日本では87万円)で購入できる。自動運転に移行するには、ハンドル脇にあるレバーを押すだけだ。
テスラ車のマニュアルには、自動運転の機能はいつ、どこで、どのように使うべきかが書かれている。そして「現在使える機能はドライバー自身が監視する必要と責任があり、クルマを自律的に動かすものではない」と警告している。
しかし、ユーザーにとって、そんな警告はあまり意味を持たないようだ。
モデルSは、ゼロ発進から時速100kmまでわずか2.1秒、最大時速322km、航続距離628kmと並外れた性能だ。価格は1070万と1600万円。購入したユーザーは強烈な加速力や自動運転を自慢したくなるようだ。
実際、動画サイトのYouTubeなどには、自動運転を「遊び場」にしている映像があれこれ投稿されている。「どうだ」と言わんばかりに、手放し運転のまま車内で踊り、ビールを飲み、楽器演奏、トランプ、ゲームなどに興じている。
次のような映像つきで報道されている例もある。
そこではドライバーによる「監視」や「責任」を要求する運転マニュアルは守られていない。
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