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2021年のアジア経済展望〜21世紀のアジアとアフリカの潜在力

人口増加による経済成長の可能性の高さ

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

国際通貨基金が予測する力強い経済回復

 国際通貨基金(IMF)は4月の世界経済見通し(WEO)で2021年の力強い景気回復を予測し(世界全体で6.0%の成長率)、特に中国(8.4%)、インド(12.5%)、ASEAN(4.9%)等のアジア諸国が高い成長率を達成するとしたのだった。又、同じ4月、アジア開発銀行(ADB)も21年版アジア経済見通しを発表し、アジアの新興国地域の2021年の経済成長率7.3%と予測した。中国は8.1%、インドは11.0%とIMFの予測とほぼ同様の内容を示した。ADBは特に東南アジアではワクチン接種プログラムと拡張的金融政策により、内需の拡大が期待されるとし、特にマレーシア(2021年の成長率予測6.0%)、シンガポール(6.0%)、インドネシア(4.5%)ではその影響が顕在化しつつあるとした。フィリピンは4.5%、ベトナム6.7%と、東南アジア諸国は高い成長率を達成すると予測している。ただ、2021年2月の国軍の権力掌握以来、政治経済の波乱が続くミャンマーは、2021年の成長率はマイナス8%と、唯一のマイナスを予測した。

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2050年のGDPトップ5のうち3カ国がアジアか

 因みに、WEOでは2021年の日本の経済成長率は3.3%と予測されている。2020年のマイナス4.8%をカバーしきれていないものの、過去10年の平均である1%強に比べるとそれなりに高い成長率だと言えるのだろう。プライスウォーターハウス・クーパース(PwC)の調査レポート「2050年の世界」(2017年2月発表)によると、2050年のGDPのトップは中国、これにインド、アメリカ、インドネシアが続くと予測されている。因みに、日本は第8位。トップテンのうち、4カ国がアジア、そして、トップファイブの内3カ国がアジアとなり、アジア国々の台頭が予測されているのだ。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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