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米の先物取引はなぜ認められないのか〜本上場できるかどうか、最後のチャンス

農家にとってはプラス、JAの反対に理はあるか

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

米を投機の対象としてはならないのか?

国内で唯一、米の先物取引を扱う大阪堂島商品取引所(大阪市西区)拡大国内で唯一、米の先物取引を扱う大阪堂島商品取引所(大阪市西区)
 JAは、米が投機の対象となり、価格が乱高下することは望ましくないと主張します。しかし、投機資金で先物価格が2万円に上昇するなら、それは、農家にとっては良いことです。先物価格が上がり、農家が減反に参加しないで米を作り、出来秋に実現した米価が下がっても、農家が受け取る米価は先物価格であって出来秋の米価ではありません。先物価格が上昇すれば、生産者は生産を増やそうとするので、将来の現物価格は低下します。これは市場を安定させます。流通業者も不作で出来秋の価格が高騰しそうなときには、低い先物価格で契約をすれば、リスクを回避できます。

 今や先物取引は、農産物だけでなく金、原油、通貨、指数まで広範な商品について認められています。我々が国際的な穀物相場としているのは、シカゴ商品取引所(Chicago Board of Trade)の先物価格です。これは、世界の穀物生産者の指標となっています。価格が変動する一次産品では、先物取引が当たり前なのです。

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筆者

山下一仁

山下一仁(やました・かずひと) キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局整備部長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。10年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。20年東京大学公共政策大学院客員教授。「いま蘇る柳田國男の農政改革」「フードセキュリティ」「農協の大罪」「農業ビッグバンの経済学」「企業の知恵が農業革新に挑む」「亡国農政の終焉」など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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