小此木潔(おこのぎ・きよし) ジャーナリスト、元上智大学教授
群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。経済部員、ニューヨーク支局員などを経て、論説委員、編集委員を務めた。2014~22年3月、上智大学教授(政策ジャーナリズム論)。著書に『財政構造改革』『消費税をどうするか』(いずれも岩波新書)、『デフレ論争のABC』(岩波ブックレット)など。監訳書に『危機と決断―バーナンキ回顧録』(角川書店)。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
巨大リスクに向き合い脱原発の道を
2011年3月22日には、菅直人首相が執務室に近藤駿介・原子力委員会委員長を呼び、「最悪シナリオ」を作らせたことが今では広く知られている。そのシナリオの内容は、原子炉が次々にメルトダウンし、放射性物質が東日本を汚染するというものだった。1号機で再び水素爆発が起き、放射線量の上昇で作業員が全面撤退を余儀なくされる。その結果、注水作業ができなくなって2、3号機がメルトダウン。4号機は使用済み核燃料プールに大量保管していた核燃料が溶け、膨大な量の放射性物質が放出される、との仮定に基づくシナリオだ。
汚染される範囲は、チェルノブイリ原発事故の基準を適用すると、住民を強制移住させる地域だけでも半径170キロメートル以遠に及ぶ
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