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「脱原発」の選択肢は消えたのか? 自民党総裁選への疑義

総選挙の争点に、野党は活発な議論を仕掛けてほしい

小此木潔 ジャーナリスト、元上智大学教授

エネルギー基本計画と脱炭素を「盾」に

拡大原子力発電所の現状=経済産業省ホームページから

 河野氏が持ち出したエネルギー基本計画とは、菅政権が策定中のもので、2030年度における総発電量の20~22%を原発でまかなうというものだ。

 この数値は東日本大震災による福島第一原発事故の直前の25%に近い水準で、現状の数%よりはるかに大きい。それを実現するには、再稼働させる原発(現在は10基)をかなり増やさなくてはならず、世論や野党の強い反発が予想される。

 また、河野氏が再稼働を認める論拠とした2050年のカーボンニュートラルは、菅政権が打ち出した「脱炭素」構想で、菅首相は再生可能エネルギーの開発に力を注ぐと説明すると同時に、原発の利用も進めると国会で明言してきた。この構想の内実は、脱炭素を掲げた原発再稼働路線とみることができる。河野氏はそれに乗ったわけだ。総裁選で議員票の多数を獲得しようとの思惑が先に立ったのではないか。

 しばらくして、別の記者が原発について聞いた。

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筆者

小此木潔

小此木潔(おこのぎ・きよし) ジャーナリスト、元上智大学教授

群馬県生まれ。1975年朝日新聞入社。経済部員、ニューヨーク支局員などを経て、論説委員、編集委員を務めた。2014~22年3月、上智大学教授(政策ジャーナリズム論)。著書に『財政構造改革』『消費税をどうするか』(いずれも岩波新書)、『デフレ論争のABC』(岩波ブックレット)など。監訳書に『危機と決断―バーナンキ回顧録』(角川書店)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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