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日本は先進国で最低の成長率〜IMFの「世界経済見通し」を読む

大幅成長が見込まれたアフリカ諸国には新型コロナの大きな影響

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

コロナ禍からの経済回復、日本は遅い見通し

 去る10月12日、国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し(WEO)」を発表した。2021年は2020年の落ち込みを回復する年になるのだが、先進国の中で日本が最も回復力が弱いとの予測になっている。アメリカの成長率は6.0%と2020年のマイナス3.4%を充分に挽回する高い成長率なのだが、日本は2.4%と2020年のマイナス4.6%をカバーするに至っていない。尤も、ユーロ圏も2021年の成長率は5.0%と前年のマイナス6.3%を下回っている。個々に見るとドイツは3.1%、フランスは6.3%、イタリアは5.8%といずれも2020年のマイナスを下回る成長率なのだ。前年のマイナスをカバーできるのは、アメリカとカナダのみという見通しだ。

Creativa Images/shutterstock.com拡大Creativa Images/shutterstock.com

 ただ、2022年もプラス成長は続き、2021年、22年の2年がかりで20年のマイナスを取り戻すという事になっている。例えば、日本の2022年の成長率は3.2%なので、2022年には20年のマイナスを取り戻せるという訳なのだ。

中国の回復見通しは

 世界経済全体を見ると、2021年の成長率は5.9%、22年の成長率は4.9%と予測されている。新興、途上国地域の成長率は、当然、先進国よりも高く、2021年は6.4%、22年は5.1%となっている。中でも、インドの成長率は、2021年は9.5%、2022年は8.5%となっている。インドは2020年の落ち込みがマイナス7.3%と新興・途上国地で最も低かったので、それをカバーすべく、21年、22年の成長率が高くなっている。中国もインドに次いで高く、21年8.0%、22年5.6%となっている。実は、中国は2020年もマイナスにはなっておらず、プラス2.3%の成長率を達成しているのだ。尤も、2.3%というのは、中国の通常の成長率に比べると

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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