自然豊かな国の八百万の神と砂漠の一神教
2021年12月21日
日本人は無宗教だと言われることもあれば、八百万の神を信じる多神教だと言われることもある。正月には神社仏閣に参拝に行き、結婚式は神社で行う事も、教会で行う事もあり、クリスマスを祝う、節操のない宗教観と評価されることもある。ただ、日本人が歴史的に有していたのはやはり神道だろう。外国から取り入れたものではなく、日本という国に古くから根づいている宗教だ。
日本最古の歴史書だとされる「古事記」は天武天皇の名で稗田阿礼が「誦習」していたものを太安万侶が書き記し、編纂したものだと言われている。上巻ではイザナギノミコトとイザナミノミコトが天地を創造し、天照大神がこれを継いでいったとされている。これはすべて「神話」の世界だが、紀元前660年2月11日に神武天皇が初代天皇として即位したとされている。神武天皇が実在したかどうかは疑問を呈されており、実在したのは第10代崇神天皇以降、第15代応神天皇、あるいは第26代継体天皇以降とも諸説が存在する。
大正時代末期には歴代天皇を確定するための基準が定まり、初代は神武天皇から第26代の継体天皇までがリストアップされた。南朝、北朝と別れた時代もあったが、1392年(明徳3年)南北朝合一が実現し、北朝に属する後花園天皇が践祚(せんそ、天子の位を継ぐこと)して、以降、この皇統が第126代天皇徳仁を含め今日の皇室へと続いている。そして、明治時代につくられた大日本帝国憲法第一条によって、「大日本帝国は万世一系の天皇これを統治す」とされたのだった。
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