急減する日本の人口〜打つ手はあるか
2050年には1億人を割り込む予測も
榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト
2050年には1億人を割り込む日本の人口(予測値)
日本の人口は2004年12月(1億2784万人)をピークに減少を続けている(総務省統計局人口推計2010年など)。2021年10月1日時点での人口は1億2512万人。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(2016年)によると、2025年には1億2254万人に、2030年には1億1913万人に減る。さらに悲観的な予想では、国交省の2011年「国土審議会政策部会長期展望委員会」の中間まとめがあり、2050年には9515万人まで減少すると推計されている(図1)。

(図1)日本の人口は長期的にみて急減する(国土審議会政策部会長期展望委員会資料から)
最悪の予想では2100年には3770万人
この資料では、2100年には高位推計で6407万人、中位推計で4771万人、低位推計で3770万人とされている(図2)。

(図2)日本の総人口は、2050年には3000万人減少するという予測図
(図の出典はいずれも、国土審議会政策部会長期展望委員会「国土の長期展望」中間とりまとめ概要、リンク先はPDF)
本当にこんなペースで減少するのか、一見信じがたい数字だが、今のペースで減少が続ければ、こうなるという事なのだろう。国立社会保障・人口問題研究所の2017年推計によれば、2050年には65歳以上の高齢人口が2022年より約1200万人増加するのに対し、生産年齢人口(15〜64歳)は約2000万人減少するとされている。また、国土審議会政策部会長期展望委員会の資料では、若年人口(15歳未満)は約390万人減少するとされる。その結果、高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)は、37.7%になるという。実に5人のうち2人近くが65歳以上の高齢者という事なのだ。