メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

インスタグラム・フェイス――機械が支配する人間の価値

私たちは既に機械的な判断によって、触れるものを制限されている

小林啓倫 経営コンサルタント

スタンダードになる「アルゴリズムによる美の補完」

Shutterstock.com拡大Shutterstock.com
 とはいえ、アルゴリズムによって人間の顔写真を自動的に加工するという機能は、いまや他の画像・動画共有サイトにも普通に見られるようになっている。

 たとえば若者に人気のショート動画共有サービスの「ティックトック(TikTok)」。これはごく短い動画(2021年7月まで最大60秒に制限されていた)を投稿するサイトで、その手軽さもあって瞬く間に世界中でユーザーを獲得した。その数は実に10億人を突破しており、日本でも1000万人を超える人々が日々利用している。

 もちろんこのティックトックにもフィルターが用意されているのだが、特に美容に特化したフィルターとして「エンハンス」という機能が存在している。この機能では、肌色を変えるといった一般的なフィルターに加えて、歯を白くする、アイシャドウやアイブロウを付けたように見せるなど、プロのメイクが化粧を施したかのように自分の顔を変えることができる。もちろん動画共有サイトなので、その加工は動画に対して行うことができ、顔を動かしてもすべて自動でこの「化粧」を付けたままにすることができる。

 インスタグラムやティックトック、そして類似のソーシャルメディアは大勢のユーザーを獲得しているとはいえ、アクティブユーザーの中心は若者であり、自分たちには関係のない話だと感じられただろうか? 確かに画像・動画共有サイトを積極的に使うのが世の中の主流層ではないが、いま意外な形で、より多くの人々がフィルター機能に触れようとしている。それはウェブ会議サービスだ。

・・・ログインして読む
(残り:約2186文字/本文:約4941文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

小林啓倫

小林啓倫(こばやし・あきひと) 経営コンサルタント

1973年東京都生まれ、獨協大学外国語学部卒、筑波大学大学院修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBAを取得。その後外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える!金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』(朝日新聞出版)、『今こそ読みたいマクルーハン』(マイナビ出版)、訳書に『ソーシャル物理学』(アレックス・ペントランド著、草思社)、『データ・アナリティクス3.0』(トーマス・H・ダベンポート著、日経BP)など多数。また国内外にて、最先端技術の動向およびビジネス活用に関するセミナーを手がけている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

小林啓倫の記事

もっと見る