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ウクライナ侵攻をめぐる「デジタル・プロパガンダ」

「テキストだけ」の偽情報は、ディープフェイクより騙されやすい

小林啓倫 経営コンサルタント

ディープフェイクより人々を騙したもの

 このディープフェイクについて、AI技術の進化の速さを背景に、もはや人間には見破ることができなくなるのではという声が上がっている。

 まだ現時点でのフェイクに対しては、先ほどの「ウラジミール・ボンダレンコ」のように、AIが画像生成する際のクセを検知するなどして、その真偽を見極めることができる。映像のディープフェイクの場合も、たとえばまばたきの回数をチェックする(顔を入れ替えた映像の場合、その回数が不自然に少なくなる)といった手法が使えるそうだ。しかしこうした問題点への対応が行われ、さらに技術自体の精度が上がれば、いつかは本物と寸分たがわないコンテンツが出来上がってしまうだろう、と懸念されている。

 しかし最近、興味深い研究結果が発表されている。それは予想に反して、

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筆者

小林啓倫

小林啓倫(こばやし・あきひと) 経営コンサルタント

1973年東京都生まれ、獨協大学外国語学部卒、筑波大学大学院修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBAを取得。その後外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える!金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』(朝日新聞出版)、『今こそ読みたいマクルーハン』(マイナビ出版)、訳書に『ソーシャル物理学』(アレックス・ペントランド著、草思社)、『データ・アナリティクス3.0』(トーマス・H・ダベンポート著、日経BP)など多数。また国内外にて、最先端技術の動向およびビジネス活用に関するセミナーを手がけている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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