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ロシア経済は大惨事の予感~西側との経済総力戦で、対ロ貿易日本企業の悲鳴

中国はロシア"属国化"を視野か?

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

ロシアと貿易する日本企業の悲鳴

 ルーブルは以前より4割安い1ドル=100~110ルーブルに急落した。日本貿易振興会(ジェトロ)は3月上旬、ロシア貿易をする日本企業約200社を対象に、制裁でどんな影響がでているかを調査した。

 回答を読むと、ロシア事業が困難になり悲鳴や困惑の声が聞かれる。

▽「輸出代金(ドル建て)をロシア企業から回収できるかどうかが一番心配だ。彼らは負担増に耐えられないのでは」(商社)

▽「ルーブルの変動がひどくて適切な販売価格を決められない。週替わりで価格を変えている」(製造業)

▽「ルーブルで預金していたので大幅に目減りした。販売価格を上げたが損失をカバーできない」(製造業)

▽「相手企業の購買力が低下している。もう注文が来ないかもしれない」(商社)

輸送代金は高騰、物流は大混乱、出荷を停止

Alexandr Medvedkov/shutterstock.com拡大Alexandr Medvedkov/shutterstock.com

 船便・航空便・トラック便の物流が大混乱している。

▽「日本からロシア向けに船便で運んでいるが、途中寄港する欧州港での『反ロシア対応』がきつい。コンテナは降ろさせてもらえず、戻されたり、留め置かれたり。やむなくロシアでの販売活動を極小化した」(製造業)

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筆者

木代泰之

木代泰之(きしろ・やすゆき) 経済・科学ジャーナリスト

経済・科学ジャーナリスト。東京大学工学部航空学科卒。NECで技術者として勤務の後、朝日新聞社に入社。主に経済記者として財務省、経済産業省、電力・石油、証券業界などを取材。現在は多様な業種の企業人や研究者らと組織する「イノベーション実践研究会」座長として、技術革新、経営刷新、政策展開について研究提言活動を続けている。著書に「自民党税制調査会」、「500兆円の奢り」(共著)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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