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世界経済は減速するか IMF世界経済見通し下方修正の意味

インドは成長の余地十分 中国の成長率は下がるといっても日本に比べれば

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 去る3月23日、国際通貨基金(IMF)は1月に発表した「世界経済見通し(WEO)」を下方修正すると表明した。成長率は従来予想の4.4%を下回るとしたのだ。IMFは春季会合を開催する4月に最新の世界成長率予測を公表する予定としている。

インドは中国と比べても発展途上

 去る1月に公表したWEOでは、2021年の世界のGDPの成長率を5.9%、22年は4.4%、23年は3.8%としていた。先進国の中ではアメリカとイギリスが最も成長率が高く、2021年はアメリカ5.6%、イギリス7.2%、22年はアメリカ4.0%、イギリス4.7%、23年はアメリカ2.6%、イギリス2.3%と予測していた。この予測では、日本が先進国中、最も成長率が低く、2021年1.6%、22年3.3%、23年1.8%とされていた。

活気にあふれたインド・チェンナイの繁華街
Jayakumar/shuttarsutock
拡大活気にあふれたインド・チェンナイの繁華街 Jayakumar/shuttarsutock

 新興市場国・発展途上国も次第に成長率を下げ、2021年6.5%、22年4.8%、23年4.7%との予測。このところ高成長を遂げてきていた中国も、2021年8.1%から22年には4.8%、23年には5.2%まで成長率を下げるとされている。ただ、インドについては、高度成長を続け、2021年9.0%、22年9.0%、23年7.1%とされている。しかしながら、インドのGDPは2020年で3兆1980億米ドルと中国(14兆6780億米ドル)の22%にすぎない。まだまだ、十分成長の余地があるという事なのだろう。

 他方、人口一人当たりGDPでは中国が1万米ドルなのに対し、インドは1931米ドルと、中国の19%強に過ぎない。欧米諸国と比較すると、アメリカは6万3358米ドルで、ルクセンブルグ、スイス、アイルランド、ノルウェーに次いで世界で5番目の大きさを誇っている。即ちインドは未だ、中国と比べても、発展途上の国なのだ。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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