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ウクライナ侵攻でも使われた顔認識技術

デジタル監視国家に向かう危うさ

小林啓倫 経営コンサルタント

規制が進む顔認識技術

 手元にある自分のスマホをながめる。すると何もしなくてもロックが解除され、すぐにスマホが使用可能になる――最近ではマスクを着けた状態でも、持ち主の顔を正確に認識してくれる機種もあるほどだ。これはいわゆる「顔認識」あるいは「顔認証」と呼ばれる先進技術だが、スマホやPCのように、日常生活で使われる端末上でも当たり前のように見られる機能となった。

 しかし顔を写した写真や動画があれば、その人物が誰かを特定できてしまうというのは、使い方次第では深刻なプライバシーの侵害になり得る。そこでいま、さまざまな形で顔認識技術を規制しようという動きが生まれている。

 すでに進められているのが、既存の法制度に基づく対応だ。中でも最近各国で見られているのが、個人情報保護の文脈における顔認識規制である。

拡大タブレット端末で顔認識決済をする女性=大阪市中央区

 近年市場に出回っている顔認識のアプリケーションの大半が、機械学習と呼ばれる技術を活用している。これは機械にさまざまなデータ(教師データや学習データなどと呼ばれる)を与えて「学習」させることで、画像の中に顔が写っているか、その顔は誰なのかといった判断を可能にする技術だ。さらに多くの教師データを与えれば、表情から感情を読み取るといった芸当まで可能になるのだが、逆に画像内の人物が誰かを正確に特定するには、その人物が誰かという情報を含む大量の顔写真データが必要となる。

 この顔認識用データの収集をめぐり、

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筆者

小林啓倫

小林啓倫(こばやし・あきひと) 経営コンサルタント

1973年東京都生まれ、獨協大学外国語学部卒、筑波大学大学院修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米バブソン大学にてMBAを取得。その後外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える!金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』(朝日新聞出版)、『今こそ読みたいマクルーハン』(マイナビ出版)、訳書に『ソーシャル物理学』(アレックス・ペントランド著、草思社)、『データ・アナリティクス3.0』(トーマス・H・ダベンポート著、日経BP)など多数。また国内外にて、最先端技術の動向およびビジネス活用に関するセミナーを手がけている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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