メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

円安はいつまで続くのか

日銀総裁の交代は来年4月 カギ握る次期総裁有力候補の政策は?

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 2021年から円安が進んでいる。2021年1月に1ドル103.70円だった円ドルレートは3月には1ドル118.51円まで下落している。円安の最大の要因は、アメリカが金融引き締めに転じる一方、日本では金融緩和が続いていることだ。当然、ドル高、円安になるという事なのだ。

円安拡大4月19日午後、東京都千代田区

2023年末には1ドル150円弱の予測も

 日本の金融緩和は黒田東彦氏が総裁に就任した2013年から続いている。大胆な金融緩和は「異次元金融緩和」と呼ばれ、日本経済の景気回復に大いに貢献した。当然、日銀の総資産残高は大きく上昇したが、東証株価指数と日経平均も上昇、日本経済を支える役割を果たしたのだ。日経平均は2013年には1万6291円(12月の終値)だったが、2021年末には2万8792円まで上昇している。77%弱も上がっている。

円安拡大黒田日銀総裁

 日本経済の成長率も2020年はコロナ禍で大きく落ち込んだものの(前年比マイナス4.50%)、2021年度には回復し、実質成長率は2.5%、22年度は2.1%と予測されている(日本経済新聞「NEEDS」予測)。

 黒田日銀総裁の任期は2023年4月8日までだが、それまでは金融緩和政策を続けると見られている。まだまだ日本経済は緩和政策によって支え続けるべきだというのが総裁の考え方だと言われている。となると、円安は今後とも続いていくことになり、2022年末には1ドル140円を超し、2023年末には1ドル150円弱になると見られている。

次期日銀総裁に最有力視されるのは…

 黒田総裁の後任には現在の副総裁・雨宮正佳氏が最も有力とされている。雨宮正佳氏は日銀の企画局長などを経て、2018年3月20に副総裁に就任した。東京大学経済学部を卒業後、1979年には日本銀行に入行、企画局長、大阪支店長、本店理事などを経て、副総裁に就任した日本銀行のエースと目されている人物である。クラッシック音楽に傾倒し、一時は本気で音楽の道に進もうとしていたといわれている。12月にはピアノの発表会もあり、メキシコの作曲家のマヌエル・ポンセに挑むという。幼馴染だった夫人は音楽大学の出身だという。

 雨宮副総裁が総裁に就任するとすれば、2023年4月。注目されているのは、新総裁が政策変更をするかどうか。するとした場合、いつするのかという事だろう。欧米が金融引き締めに転ずる中での黒田総裁の金融緩和は激しい円安を生じさせているが、新総裁が利上げに踏み切って円安をストップさせるのか、そして、それをいつ実行するのかが注目されているのだ。

・・・ログインして読む
(残り:約1099文字/本文:約2169文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

榊原英資の記事

もっと見る