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日銀が金融引き締めに踏み切るための条件は?

いつ、どのように……次期総裁の正念場

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 欧米が金融引き締めに動く中で、日本では、金融緩和政策が続いている。2013年に日本銀行総裁に就任した黒田東彦氏は「異次元金融緩和」と呼ばれる金融緩和政策を発動し、その後も緩和政策を継続してきている。去る4月28日に開催された政策決定会合でも「物価と賃金が共に上がる物価安定の目標を安定的に達成するまで淡々と金融緩和を支持する」とした。

いまや「強い円が日本の国益」

 アメリカの金融引き締め、日本の金融緩和の維持は、当然、ドル高・円安に為替を動かすことになり、円ドル相場は、4月28日には1ドル130円を突破し、その後も1ドル130円前後での展開が続いいている。2021年初めには1ドル104円前後だったのが、その後急速に円安に推移し、ついに1ドル130円前後にまでになってきた。

円安拡大4月28日、20年ぶりに1ドル130円を突破した=東京都千代田区、みずほ銀行本店

 原因は明確。アメリカが引き締めに転じる中での緩和政策がこの急激な円安を招いたのだ。別に「日本売り」で円安になっているのではないので、この円安が大きな問題だということは無いのだが、マーケット関係者は、2022年後半、そして2023年には更に円安が進み、2023年には1ドル150円を突破するのではないかと見ているようだ。

 円安は確かに、輸出にはプラスだが、現在は多くの大手企業が海外に進出しており、海外進出企業にとっては円高の方が望ましい状況になっている。かつてアメリカの財務長官ロバート・ルービンが「強いドルはアメリカの国益」だと発言したことがあった(1995年4月)が、今や、「強い円が日本の国益」という局面に入って来ているのではないだろうか。とすれば、現状の円安、そして更なる円安の進展は日本企業にとって決してプラスではない。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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