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円安阻止の為替介入はあるのか

ドル売り円買いが容易ではない理由

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

ドミノ拡大Andrey_Popov/shutterstock

 為替レートが急速に円安に傾き始めている。2022年1月4日には1ドル116・14円だった円ドルレートは6月17日現在、1ドル134円を超えるまでになってきている。いわゆる黒田ライン(1ドル125円.黒田東彦日本銀行総裁が2015年6月10日「ここからつまり1ドル125円からさらに円安に振れることは、普通に考えるとありそうにない」と発言)を越えてしまったことから、市場関係者の間では「為替介入」があるのではないかとの噂が飛び交っている。

「勝つまで介入しろ」

 この30年弱の間に約9回、日銀による為替介入があった。1995年に1ドル79円まで進んだ円高を是正するために円売り/ドル買いの介入が実施された。介入金額は4兆9589億円、この時筆者は国際金融局長として介入を指揮したのだが、介入によってレートを1ドル100円前後まで戻すことが出来た。この時はアメリカもそれ以上のドル安を望んでおらず、日米協調介入ができた事も、介入の成功を導いた。今でも、当時の財務副長官だったローレンス・サマーズ氏と電話で連絡をし、協調への合意をしたことをはっきり覚えている。当時の介入はドル買い介入だったので、円資金は十分あり、効果が上がるまで執拗に介入することができたのだ。また、当時の為替資金課長は後に財務次官(2010年~12年)になる勝栄二郎氏、筆者の課長への指示は「勝つまで介入しろ」というものだった。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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