メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

無料

国債1千兆円でも大丈夫なのか(上) 「誰に働いてもらうか」を補助線にして考える

問題を解決するのは「お金自体」ではない

田内学 お金の向こう研究所代表

社会を支えるのは何か 「お金」自体ではない

 私たちはお金をやりくりしながら、日々生活している。これは、国家という規模になっても同じことがいえる。どんなに良い政策を思いついても、すぐに「財源はどうする?」という話になる。貨幣経済が浸透した現代社会では、個人でも国家でもお金は必要不可欠だ。

 しかし、その貨幣経済に慣れすぎたあまりに、「お金さえあれば問題が解決する」と思ってはしないだろうか。

 それは錯覚だ。

拡大Seita/shutterstock.com

 コロナ禍で物流ドライバーや医療関係者などのエッセンシャルワーカーが注目されたように、どれだけお金があっても働く人がいなければ社会は機能しない。お金自体が食料や医療サービスに変わるわけではないのだ。

 考えてみればあたり前の話だが、問題を解決するのは「お金」自体ではない。そのお金を受け取った「人」が問題を解決してくれる。食料を作る人、診察をする人、新薬の研究をする人、物資を運ぶ人。多くの人々が働き、互いに支え合っている。社会を支えているのはお金ではなく、働く人々だ。

 だからこそ、「誰に働いてもらうのか」という視点が必要不可欠になる。そして、これは「誰にお金が流れるのか」という視点でもある。当然ながら、働いてくれた人にお金が流れる。

 この視点を取り入れると、家庭の借金と国の借金の違いが見えてくる。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

田内学

田内学(たうち・まなぶ) お金の向こう研究所代表

1978年生まれ。東京大学入学後プログラミングにはまり、国際大学対抗プログラミングコンテストアジア大会入賞。 同大学院情報理工学系研究科修士課程修了。 2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日銀による金利指標改革にも携わる。 2019年退職。現在は金融教育や政策提言などの活動を行なっている 著書に『お金のむこうに人がいる』(ダイヤモンド社)、『高等学校教科書 公共』(教育図書、共著)がある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

田内学の記事

もっと見る