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円安の潮目は変わったか

鮮明になった米経済の変調 かたや日本は2%台の成長へ

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 このところの円ドルレートは円安方向に動いてきた。2021年に1ドル109.8円だったレートは2022年8月1日には1ドル132.3円までの円安になってきている。その要因はアメリカが金融引締めを続ける中で日本が金融緩和を続けていることだった。当然、ドルは高くなり、円は安くなっていったのだった。

米国は2期連続マイナス成長

 しかし、このところの状況は大きく変化してきている。アメリカ経済の成長率は4~6月に年率でマイナス0.9%となり2四半期連続のマイナスになってしまったのだ。2四半期以上連続でマイナスになったのは1990年以降で3度目。2四半期連続のマイナス成長は景気後退とみなされ、いわゆるテクニカル・リセッションとされている。

円ドル拡大Alexey_Arz/shutterstock.com

 当然、金融引締めは終了し、金融は緩和方向に進んでいくと予想されている。他方、日本経済は好調で、22年度の成長率は2.4%と予想されている=国際通貨基金(IMF)2022年4月時点推計。このところ、年平均1%強の成長率だったが、2022年には大きく成長率を高めるとの予測なのだ。日本経済新聞の総合経済データバンク「NEEDS」によれば、2021年度の実質成長率は2.6%、2022年度のそれは2.7%になっている。海外経済の好調さが輸出に波及し、設備投資もデジタル化などで伸びが高まっている。

 2020年度は新型コロナウイルス感染で大きく落ち込んだ(マイナス4.5%)が、2021年度、2022年度の高い成長率でこれを取り返すとの予測だ。

 アメリカ経済の落ち込み、そして日本経済の高成長は、このところ進んできた円安トレンドを逆転する可能性が高い。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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