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「昔品種」の再興で日本の米食をアップグレードする

リゾットやチャーハンにあうのは?

柏木智帆 お米ライター、元神奈川新聞記者

 先日、インド産「マッタライス」を購入した。マッタライスは「ケララ赤米」とも呼ばれる赤米で、形状は日本の短粒種に比べて長めで大粒。南インドや日本の南インド料理店などで食べたことがあるという人もいるだろう。

インド産「マッタライス」。「ケララ赤米」とも呼ばれる赤米だ

 マッタライスを調理するために洗ってみると、これまでに体験したことがないほどつるつるとなめらかな手触り。そして、お米に吸水させるために10時間ほど水に浸けておくと、驚いたことにお米が水を吸い尽くしてしまい、水がなくなっていた。ちなみに、日本の短粒種を同じ水量で浸漬しても水がなくなることはないので、マッタライスはよほど吸水率が良いのだろう。

 日本のお米のように炊飯(炊き干し)するのではなく、たっぷりの湯で茹でる「湯取り」という方法で調理してみたところ、長時間茹でてもまったく煮崩れせず、米粒の表層の強固さに驚いた。独特の香りがしたのは、「パーボイルドライス」と言って収穫後に籾がついた状態で茹で(あるいは蒸し)、乾燥して保存したお米だからかもしれない。

マッタイライスは長時間茹でてもまったく煮崩れなかった

 食べてみると、粘りは皆無。これまでに出会った数々の「パラパラとしたお米」の中でもっともパラパラしていて、お米というよりも、何か別の穀物のような食べ心地だ。油控えめで作ったスパイスカレーと一緒に食べると、ごはんが飲み込みづらい。インドやパキスタンで作られているパラパラとした長粒米「バスマティライス」のように油がたっぷりと使われたカレーと合わせたり、油が多めのお米料理を作ったりするには相性が良さそうだ。余ったマッタライスでチャーハンを作ってみると、過去最高にパラパラのチャーハンが完成した。

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