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【対談】地方移住の受け皿となる自治体の実情は?(前編)

衆議院議員・務台俊介氏×長野県安曇野市長・太田寛氏

神山典士 ノンフィクション作家

北海道・長万部は学生を呼び込んで活気が戻った

理科大でコンサート/祥子&Radishの野外コンサート 北海道渡島支庁長万部町の東京理科大長万部キャンパスで 2012年12月8日拡大長万部町の東京理科大キャンパスでは町民も参加して野外コンサートが開かれたことも

務台 サテライトキャンパスの成功例には、東京理科大の北海道長万部キャンパスがあります。人口5000人の細長い町ですが、学生で活気が戻ってきた。あそこで学んだ若者の何%かは長万部で起業したりもしています。私は内閣府政務官時代には、地方創生の会議でも盛んにこの事例を発言してきたのですが、文部科学省は「大学の自治」を楯に動かない。文科省には「教育で地方創生を」という考えはあまりないようです。

太田 早稲田や慶応は高校を地方につくっていますが、あれは地方の子を中央に呼び込むためなのかなぁ?

務台 サテライトキャンパスを本格的に動かすためには「飴と鞭」が必要だと思います。いまは大学の定員が非常に厳しいけれど、サテライトに出した分は定員の枠外にするとか。私学助成金もサテライトをやらない大学には厳しくするとか。いろいろ手段はあると思います。

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筆者

神山典士

神山典士(こうやまのりお) ノンフィクション作家

1960年埼玉県生まれ、信州大学人文学部卒業。96年『ライオンの夢、コンデ・コマ=前田光世伝』にて小学館ノンフィクション賞優秀賞。2011年『ピアノはともだち、奇跡のピアニスト辻井伸行の秘密』(講談社、青い鳥文庫)が全国読書感想文コンクール課題図書選定。14年「佐村河内事件報道」により、第45回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)雑誌ジャーナリズム大賞受賞。「異文化」「表現者」「アウトロー」をテーマに様々なジャンルの主人公を追い続けている。最新刊は『トカイナカに生きる』(文春新書)。他に『知られざる北斎』(幻冬舎)、『もう恥を書かない文章術』(ポプラ社)『成功する里山ビジネス~ダウンシフトという選択』(角川新書)「社員の幸せを創る経営」(幻冬舎)等

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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