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ヨーロッパ女性リーダーの系譜とイギリスの新首相

英国3人目の女性首相になったトラス氏、市場関係者には懸念も

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 2022年7月10日、ボリス・ジョンソン首相の辞任表明を受け、リズ・トラス氏は保守党党首選挙に出馬、9月5日に結果が発表され、8万1326票を獲得し、6万399票にとどまったリシ・スナク前財務相を逆転で下し当選、9月6日エリザベス女王と謁見し、正式に首相に任命された。第71代マーガレット・サッチャー、第76代テリーザ・メイに次ぐイギリス3人目の女性首相になった。

トラス拡大日英首脳会談に向かうリズ・トラス英首相=2022年9月、米ニューヨーク

多くの女性指導者が生まれてきたヨーロッパ

 日本やアメリカではまだ女性大統領、女性首相は誕生していないが、ヨーロッパでは多くの女性首相が生まれている。イタリアでは、去る9月25日の総選挙の結果、中道右派連合の党首ジョルジャ・メローニ氏が首相に就任している。イタリア初の女性首相である。ドイツではアンゲラ・メルケル氏が2005年から2021年まで16年間首相を務めている。在任期間は5860日、わずか10日及ばずコール元首相に次ぐ長さだった。メルケル氏は4期16年の在任中、「ユーロ危機」「難民の流入」「BREXIT(ブレグジット=英国のEU離脱)」など様々な難局に向かい合い、手堅い手腕を発揮してきた。彼女は保守系の「キリスト教民主同盟」に所属しながら、徴兵制の停止や脱原発、同性婚の容認などのリベラル寄りの政策推し進めてきた。

 アイスランド、フィンランド、デンマークは現在も首相が女性。この他にもニュージーランド、エストニア、バングラデッシュ、セルビアも女性である。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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