側近登用で指導部を固め、終身制も視野に毛沢東以来の独裁を確立
2022年11月07日
3期目を発足させた中国共産党の習近平総書記(69)は最高指導部を側近で固め、4期目以降の終身制も視野に入れた。中国の集団指導体制は崩壊し、毛沢東時代以来の独裁体制に転じた模様だ。
新しい指導部は習近平氏の側近ばかり、習氏の他に以下の6人が選ばれている。まず、李強氏、現在は上海市のトップだが、習氏が浙江省のトップを務めた際に省の幹部らの取りまとめを行う秘書長として習氏を支えた人物。趙楽際氏は党の幹部などの汚職などを摘発する中央規律検査委員会トップを務めている。また、王滬寧氏は習主席のブレーンとしての役割を担ってきた。蔡奇氏は福建省と浙江省で長年にわたって習主席を部下として支え、北京市のトップの書記を務めている。丁蒔祥氏は習主席を補佐して党の事務を取り仕切る中央弁公庁トップの主査を務めている。そして、李希氏は広東省トップの書記を務め、新たに中央規律検査委員会のトップに就任している。
党指導部で最高指導部を含む政治局委員は、これまでより1人減って24人となり、習主席と関係が近いとされるメンバーが多く選ばれた。このうち、今月末までに69歳となる外相の王毅氏が引退年齢の慣例を破って政治局委員に昇格し、新たな政治局委員として外交を統括すると見られている。2004年から3年間駐日大使を務め、中国外務省の中でも日本の事情に精通している人物の一人とされている。他方、副首相を務める胡春革氏は、政治局委員に再任されなかった。胡氏は胡錦涛前国家主席や李克強前首相に近いとされ、習主席らの次の世代になるホープの一人とも言われていたが、降格した形だ。
習主席は、指導部のメンバーを側近や地方で勤務してきたときの部下など関係の深い人物で固め、自らの権力集中を一層進め、今後、長期間にわたり最高指導者としてとどまることを視野に入れていると指摘されている。
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