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「世界の3分の1がマイナス成長」IMF見通しが意味すること

私たちは「より貧しく安全でない世界に移行している」のか

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 去る2022年11月13日、国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しについて、インフレ抑制に向けた金融引き締めや中国経済の減速、サプライチェーンの混乱、ロシアのウクライナ侵攻に伴う食料安全保障問題を背景に、先月よりも悪化しているとの見方を示した。

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円、米ドル、インドルピー、豪ドル、中国人民元など、世界で最も有力な国の紙幣に関する有名なリーダーのポートレート/画像/顔。通貨のコンセプト。 William Potter
拡大William Potter/shutterstock.com

「最悪の事態はこれから起こる」

 IMFは先月(10月)、世界経済の2023年の成長率予測を従来の2.9%から2.7%に引き下げている。インドネシアで開催されたG20首脳会議に向けて準備されたブログで、 IMFは最近の指標は欧州を中心に見通しが悪化したことを示していると指摘した。

 製造業とサービス業の活動を測る購買担当者景気指標(PMI)はG20の大半の国で弱含んでおり、経済活動は縮小傾向にあり、しかも、インフレは依然として高止まりしているとした。また、欧州のエネルギー危機が悪化すると、経済成長に深刻な打撃を与えてインフレ率が上昇、高インフレが長引くと予想以上に政策金利が引き上げられ、世界の金融環境がさらに引き締まる可能性があると説明。その結果、「脆弱な経済に対するソブリンリスク(国に対する信用リスク)が高まる」とした。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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