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憲法改正の機は熟したか

「喜寿」を迎える今年こそ熟議を経て動き出すとき

榊原英資 (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

 2022年の5月3日、日本国憲法施行から75年となる憲法記念日に行われたNHKの世論調査で、憲法改正が「必要」と答えたのは35%、「必要ない」と答えたのは19%、「どちらとも言えない」「わからない」が合計46%だった。また、戦争放棄を定めた憲法9条を改正する必要があるかどうかを聞いたところ、「改正する必要がある」が31%、「改正する必要が無いと思う」が30%と、9条改正については拮抗する回答だった。憲法そのものを改正する必要があるとの回答は、年を経るごとに増加している。2018年には改正が必要は29%だったが、その後次第に上昇し、2020年には32%、2021年には33%、そして2022年には35%まで増加してきた。

日本国憲法の原本拡大日本国憲法の原本

安全保障環境の変化が改正論を後押し

 「改正が必要」の理由については、57%が「日本を取り巻く安全保障環境の変化に対応する為に必要だから」、そして、「国の自衛権や自衛隊の存在を明確にすべきだから」が23%となっている。「改正が必要ないと思う」は2022年で19%だったが、その64%は「戦争放棄を定めた憲法9条を守りたいから」という理由からだった。また、15%は「基本的人権が守られているから」、16%は「既に国民の中に定着している」となっている。

 9条改正の是非については、「是」とするものが2022年には31%だったが、2020年の26%、2021年の28%から次第に上昇してきている。憲法9条の「改正が必要」の理由については、その64%が「自衛力を持てることを憲法にはっきり書くべきだから」で、20%が「国連を中心とする軍事行動にも参加できるようにするべきだから」だった。他方、「憲法9条の改正は必要が無い」と答えた30%のうち、その70%は「平和憲法として最も大事な条文だから」で、また、15%は「改正しなくても、憲法解釈の変更で対応できるから」だった。

 識者の間でも「憲法を改正」すべきだと、すべきでないとは意見が分かれている。

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筆者

榊原英資

榊原英資(さかきばら・えいすけ) (財)インド経済研究所理事長、エコノミスト

1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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