青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト
1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
私は人が嫌うほどデーブが嫌いじゃないのだが、『とくダネ!』のデーブは嫌いだ。デーブの日は「デーブ☆インパクト」という海外のビックリ映像を紹介するコーナーがあって、それがつまらないからイヤなのだ。そのつまらないニュース映像にかぶせるデーブの語りの、へんにこなれてるのもイヤだ。
こんなことやってるヒマがあったら、事件やゴシップのコメントでダジャレを飛ばしてくれデーブ、と思うんだけどそういう人は少ないかもしれない。別にデーブのダジャレが面白いわけじゃないが……いやたまに面白いような気もしてるが……デーブ・スペクターという人は「世間で流行ってるものに対して自分はまったくそんなもんに興味がない」と切り捨てて、さらに小バカにしてみせるのが芸風で、司会の小倉智昭も同じようなことを時々やるから、つい二人を比べてしまう。
その結果、小倉さんのほうがずっと感じが悪くてデーブはいい人みたいに思える。デーブのほうがやり方に愛嬌がある、というか自分がバカになるのを厭わないから、自分が「そのへんの大衆とはちがう」「自分はエライ」ということを誇示するためにそれをやる小倉さんよりも感じがよくなるのだ。
しかしどちらにしてもやってることは「ただ、その場の空気に水をかけるだけ」で、これを芸風なんていったら芸の神様が怒るようなもんだ。『とくダネ!』では他に、金曜日に出てくる深澤真紀という人がナゾの存在で、どういう人なのかさっぱりわからず、どんな話題でコメントを求められるのか、どんなコメントをするのかで職業を探ろうと熱心に見ているのだが、保温ジャーに二晩入っていたごはん、のような感じの人でコメントそんな感じなのでいまだに何を本業としている人なのかわからない。
たまたまた私は深澤さんをまるで存じ上げないが、きっとその世界では有名な方なのであろう。でも知らない者にとっては保温ジャーの放置ごはん、とか言われてしまう。それがテレビに出るということなのだ。
じゃあ、いったい、知らない人にどういう目で見られてるんだろう、ということがやけに気になるのが福田和也だ。『とくダネ!』の木曜コメンテーター福田和也。
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?