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大統領選挙、テキサス、後悔バー

近藤康太郎 朝日新聞西部本社編集委員兼天草支局長

 来年のアメリカ大統領選で、民主党の現職オバマ氏と戦う共和党の候補は、マサチューセッツ州のロムニー知事とテキサス州のペリー知事の2人に絞られてきた。サラブレッドで穏健派のロムニー氏に対して、ペリー氏は貧しい農家の出身。同性婚は認めない、中絶に反対、銃規制にも反対、進化論は「単なる一理論」で、地球温暖化は「科学者がデータを操作している」と言い放つ。

 超保守派。なんと言いましょうか、匂い立つようなグレート・テキサン。ニューズウィークの表紙を飾ったが、表紙に書かれていた文字は「テキサス人ともめんなよ!」だった。

 ペリー氏を見てると、10年前のことが走馬灯のように浮かぶ。

 2000年の大統領選。やはりテキサス州知事のジョージ・W・ブッシュ氏は、民主党のゴア副大統領(当時)と世紀の激戦を演じて、当選の判断は裁判所にまでもつれ込んだ。あのとき、テキサス州の州都オースティンにいた。ブッシュ氏の勝利宣言を取材することになっていたのだ。

 と、ここで、テキサス州の政治風土とか、アメリカの反知性主義みたいな話に持っていければ国際ジャーナリストみたいでかっこいいのだが、もちろん、そういうことにはならない。かっこつけて、無駄に長い前ふりを振ってしまった。後悔している。オースティンでは、もっぱら飲んだくれていただけだったんだ。

 取材ったって、最高裁の判断を待っているだけなのだから、することがない。上司に知れるとまずいのでここだけの話だが、

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