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復讐は猿にまかせろ!?――『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』の「猿革命」は凄い!

藤崎康 映画評論家、文芸評論家、慶応義塾大学、学習院大学講師

 「創世記(ジェネシス)」という副題が示すように、最新作の『猿の惑星』は、1968年のシリーズ第1作の「起源」が解き明かされる、いわば“誕生編”だ。

 すなわち、新進のルパート・ワイアット監督は、なぜ猿が人間を下等動物として支配するに至ったのかという、そのルーツを、前半はSFならではの科学的説明を盛り込みつつ、人間のさまざまなエゴイズムを、猿(チンパンジーのシーザー)の側から暴いていく。そして終盤は、シーザーに率いられた猿の大群による反乱(暴力革命?)を、壮絶な大スペクタクルとして炸裂させる――。

 サンフランシスコの製薬会社の研究所員で神経科学者のウィル(ジェームズ・フランコ)は、開発中のアルツハイマー病の新薬を投与された一匹の実験用チンパンジーが、驚くべき知能を発揮し始めたことに気づく。が、突如として暴れだしたため、警備員に射殺されてしまうそのチンパンジーは妊娠していた。ウィルは、赤ん坊猿を引き取り、「シーザー」と名付けて育てることにするが、ウィルが新薬の研究を続ける最大の理由は、じつは彼の年老いた父親がアルツハイマー病を患っていたからだ(これもつまるところ、猿を実験用に使う人間中心主義である)。

 時が流れ、ウィルのもとですくすくと育ったシーザーは、母親の遺伝子を受け継ぎ、類いまれな知性を発揮し始める。ウィルとシーザーは精神的交流を深めていく。が、その一方で新薬が脳を活性化することを確信したウィルは、薬を父親に投与。すると父親は、それまでとは見違えるように生気を取り戻していくのだった。

 そんななか、ひょんなことから霊長類保護施設に監禁されてしまったシーザーは、やがて

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筆者

藤崎康

藤崎康(ふじさき・こう) 映画評論家、文芸評論家、慶応義塾大学、学習院大学講師

東京都生まれ。映画評論家、文芸評論家。1983年、慶応義塾大学フランス文学科大学院博士課程修了。著書に『戦争の映画史――恐怖と快楽のフィルム学』(朝日選書)など。現在『クロード・シャブロル論』(仮題)を準備中。熱狂的なスロージョガ―、かつ草テニスプレーヤー。わが人生のべスト3(順不同)は邦画が、山中貞雄『丹下左膳余話 百万両の壺』、江崎実生『逢いたくて逢いたくて』、黒沢清『叫』、洋画がジョン・フォード『長い灰色の線』、クロード・シャブロル『野獣死すべし』、シルベスター・スタローン『ランボー 最後の戦場』(いずれも順不同)

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