青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト
1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
青木るえか
この時期に新番組がドッと出る。ということは終わる番組も同じくドッと出るわけだ。
終わるっていったっていきなり交通事故に遭うようなことじゃない、最初から放映時期は決まってるんだ、って言っても、きっと企画書とかの段階のプロデューサーや代理店男の飲み会とかでは「数字がよければワンクールにこだわりませんよ! ガンガン行きましょう!」とか調子のいい話が飛び交ってるはずである。
そんなリップサービスに乗せられるほうがバカだぐらいはわかってますけど、どうしても期待しちゃうんですよ、人間というものは。「きっとダメだよね、ダメだってことぐらいはわかってるけど(これは失敗に対する予防線でもある)、もしかしてってコトもあるし」という、正気で考えたら瞬時に却下するような甘い考えに、つい取り込まれてしまう時があるんですよ、人間なんて弱い生き物なんだから。
ドラマとかはまだいい。視聴率が悪くて打ち切りなんてことになった場合でも、何が悪かったのかなかなかはっきりしない。企画が悪いか脚本が悪いか出演者が悪いかテーマソングが悪いか、それぞれが「誰かのせい」にできるし。うすうす「自分が元凶だ」とわかっていても、そうやって人は自分にウソをついて自分を慰める。自分がそうだからよくわかる。
その点、ドラマじゃなくてバラエティとかワイドショーとかの出演者、それが番組の途中で交代する時の切なさ。自分がワイドショーに出たことあるわけでもないのに、番組改編期が近づくと「ああ、また誰かが切られる……」と自分のことのように胸が痛む。
そういえば丸岡いずみが
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