藤崎康
2011年11月03日
それかあらぬか、学校の成績は低迷し続けたが、それでも、ヤマ場で恐竜が出現するジュール・ヴェルヌの『地底旅行』やコナン・ドイルの『失われた世界』、さらには久生十欄の『地底獣国』さえ何度も読み返していて、なぜかその合間に林芙美子や壺井栄や、はたまた「風俗奇譚」「奇譚クラブ」などの“異常性愛雑誌”も(当然親に隠れて)愛読していたから、現代国語だけは常にクラスでトップだった(古典、漢文は大の苦手、という偏向ぶり)。
ともかく、そんな時期に始まった「ウルトラQ」を、私は毎週、テレビにかじりついて見た。ただし、すでにレイ・ハリーハウゼンの特撮映画の洗礼を受けていたせいで、怪獣の映像にウルサクなっていた私は、古代怪獣ゴメス、巨大猿ゴロー、冷凍怪獣ペギラ、もぐら怪獣モングラー、隕石怪獣ガラモン……といったゴジラ伝来の着ぐるみ怪獣には、どうしても違和感を払拭できなかった(今もそうである)。その姿形や動きにひどく「人間的なもの」を感じてしまうのだ。
思うに、怪獣の姿や性質は、人間から遠ざかれば遠ざかるほど、手なずけようのない<絶対的な他者>として、得体のしれぬ恐怖と不可解感をおびるのではないか。ヘタに感情移入を誘うカワイさや複雑微妙な表情の動きなど、怪獣には無用ではないか。ジョーズ然り、T-REX然り、トライポッド(スピルバーグ『宇宙戦争』)然り……。
それでいえば、「ウルトラQ」の怪獣で強烈なインパクトがあったのは、たとえば
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