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新連載【論壇女子部が行く!】 古市憲寿(上)――いまの若い世代は、自然な形で上の世代と繋がっていける

聞き手=論壇女子部

●卒論は、ノルウェーの育児政策!

――学部時代に、ノルウェーに一年間留学されているんですよね。

古市 静養してただけなんで。

――(笑)。北欧を見た時にはどのように感じられましたか?

古市 ノルウェーって、まるで老人のような国なんですね。みんながゆっくり暮らしてる。労働時間も一応8時間労働だけど、みんな早めに帰っちゃう。それで長い夜を友人や家族と過ごす。一時期、国会でずっと話し合われたのが「最長労働時間を6時間にした方がいいんじゃないか」ということ。本当に6時間労働になったら、国民全員が老後みたいなものですよね。

――なるほど。古市さんって、すごく日本を客観的に見ているなって思うんですけれど、それは留学の影響が大きいんですか?

古市 それは、やっぱり社会学を勉強しているからでしょうね。もっとも、社会学に限らず、研究というのはいろんなものを相対化する力になると思います。人間って普通に生きてたら、「今・ここ・自分」しか生きられないじゃないですか。「ここ」という場所で、「今」という時間に「自分」としてしか存在するしかない。でも人は、想像することで他人にもなれるし、違う時代、過去も未来も生きることができる。そのなかでも社会学という学問は、当たり前と思ってることを疑うのに一番適してると思うんですよね。だから「客観的」というのは、そういう理由が大きいと思います。まあ、僕の書いているものを社会学って認めたくない人もいるみたいなんで、別に「社会学」にこだわりはないんですけど。

●いまの若者には怒りさえもない

――最近は「日本の若者」について言及されることも多いですよね。9月に出された『絶望の国の幸福な若者たち』では、「不満はないけれども不安がある若者」という分析が、なるほどなと思いました。サッカーのワールドカップの盛り上がりに関しても「ナショナリズム」とはちょっと違う気がするし、何なんだろうと思っていたんですが、古市さんの著書を読ませていただいて、「そういうことだったのか」と納得したんです。若者論を書こうと思ったのはどういう理由からなんですか? ・・・ログインして読む
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