2011年11月30日
なにしろ、成瀬巳喜男、溝口健二、小津安二郎、中川信夫、清水宏、渋谷実、川島雄三ら名匠の傑作、秀作をはじめとして、本多猪四郎、河野嘉一ら職人監督の良品がずらりと並ぶのだ。映画好きにはヨダレの出そうな演目である。とくに若い映画ファンにとっては、大スクリーンに輝く香川京子の清々しいオーラに触れつつ、“戦後日本映画史を縦断する”絶好のチャンス到来だ(見料:一般500円/高校・大学生・シニア300円<!>/小・中学生100円)。
香川京子のいちばんの魅力は、飾り気のない、清楚な美しさだが、つぶらな瞳、高くて形良くカーブした鼻、笑うと出来るえくぼが特徴的なその可憐さは、本格的デビュー作『窓から飛び出せ』(島耕二、50年)で人気を呼び、彼女は早くも清純派の新人女優のホープとして期待される。続いて同年、同じく島監督の『君と行くアメリカ航路』『東京のヒロイン』に助演し、その後も中川信夫監督の非恋もの、『高原の駅よさようなら』(51年、傑作!)で植物学者・水島道太郎の相手役の看護婦を演じるなど、順調にキャリアを重ねていく。
だが、香川京子の女優歴において決定的だったのは、
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