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 風水が悪いのでなるべく会社には寄りつかないようにしているのだが、いちおうサラリーマンだから、たまに夜勤とか早出番で職場にへばりついていなければならないことはある。目立たないように息をひそめているのだが、横を通り過ぎる、○○長みたいな偉い人に、たまにちょっかいを出されるので弱る。

 「おう、いいシャツ着てんなあ」

 スミマセンと謝り、小さくなっているが、たしかに、あまりまともな恰好はしていない。花柄のシャツやチャラチャラした刺繍もの、松に鶴が舞うシャツとか。いかつい顔で。でかい図体して。もう50歳になろうってのに。

 後輩記者(女性)に忠告されたこともあるのだが、「そろそろ原色のTシャツとか、まずいんじゃないですか? 『だれか言ってやれ』って陰で言われてますよ」。痛いってか……。

 怒らない。怒らないが、納得はいかない。年齢とは、これに進んで応和しようとしなければ、納得のいかない実在なのだ。

拡大エアロスミスのスティーブン・タイラー(右)とジョー・ペリー

 最近、エアロスミスとエリック・クラプトン&スティーブ・ウィンウッドのライブを続けて見にいったのだが、これにはぶっ飛ばされた。クラプトン&ウィンウッドは、またいつか機会があったら書くとして、エアロスミス、いったい、何のつもりなんだ?

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筆者

近藤康太郎

近藤康太郎(こんどう・こうたろう) 朝日新聞西部本社編集委員兼天草支局長

1963年、東京・渋谷生まれ。「アエラ」編集部、外報部、ニューヨーク支局、文化くらし報道部などを経て現職。著書に『おいしい資本主義』(河出書房新社)、『成長のない社会で、わたしたちはいかに生きていくべきなのか』(水野和夫氏との共著、徳間書店)、『「あらすじ」だけで人生の意味が全部分かる世界の古典13』(講談社+α新書)、『リアルロック――日本語ROCK小事典』(三一書房)、『朝日新聞記者が書いた「アメリカ人が知らないアメリカ」』(講談社+α文庫)、『朝日新聞記者が書いたアメリカ人「アホ・マヌケ」論』(講談社+α新書)、『朝日新聞記者が書けなかったアメリカの大汚点』(講談社+α新書」、『アメリカが知らないアメリカ――世界帝国を動かす深奥部の力』(講談社)、編著に『ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』(文春文庫)がある。共著に『追跡リクルート疑惑――スクープ取材に燃えた121日』(朝日新聞社)、「日本ロック&フォークアルバム大全1968―1979」(音楽之友社)など。趣味、銭湯。短気。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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