2011年12月24日
第62回NHK紅白歌合戦(12月31日午後7時15分開始)の出場歌手が先日、発表された。紅白計55組で、初出場は紅組が芦田愛菜、神田沙也加、椎名林檎、KARA、少女時代。白組が鈴木福、猪苗代湖ズの計7組だった。未曽有の東日本大震災が起きた年だけに、悲劇の年から希望に満ちた新年への懸け橋となる番組として、趣向を凝らして放送されそうだ。
紅白は1963(昭38)年の第14回で、81・4%の史上最高視聴率を獲得している。翌64年に東京オリンピックの開催を控えるなど、高度成長を遂げた日本の、まさに絶頂期と重なる。紅白のトリは美空ひばり、三波春夫で、北島三郎、舟木一夫、梓みちよらが初出場した。
時代を経て、2011年の第61回の視聴率は41・7%(第2部)で、1963年の視聴率からほぼ半減した。急速なIT化や家族だんらんの概念の激変など、時代背景はまったく違っており、一概に数字だけで比較するのは意味のないことかもしれない。視聴率が下がったとはいえ「NHK紅白歌合戦」は、出場する側、見る側、そして取材する芸能マスコミにとっても、いまでも国民的怪物番組であることに変わりはない。
芸能マスコミにとって、紅白はありがたい存在だ。なにせ仕事納めの終わった年末は、当然、取材対象となるイベントも激減する。そんな時期に、東京・渋谷のNHKにはキラ星のスター歌手たちが続々と集まってくるのだ。紅白の取材スケジュールは毎年、決まっている。29日は音合わせ、30日にホールでのリハーサル、そして大みそかの31日に本番となる。逆にいうと、出場歌手はこの3日間、「拘束」されることを了承しなければならない。
スポーツ新聞など取材陣は、3日間、早朝からNHKに詰めて取材する。
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