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「9・11」以降、「世界史」は実際に読んでおかなければならなくなった

福嶋聡 ジュンク堂書店難波店店長

 1960年代の中央公論社『世界の歴史』全16巻をはじめ、日本の出版業界は世界史関係のヒット作をいくつも生み出してきた。世界史ものは比較的読者の関心が向きやすいジャンルであり、出版社の企画としては割合に手堅い領域であった。山川出版社の高等学校教科書を一般向けに発売しても、ベストセラーとなる。

 社会史、アナール学派、ポストコロニアル研究など、これまでいくつかのブームがあったが、時期時期でよく読まれる本の特徴がある。今売れているマクニールの『世界史』(中公文庫)ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』(草思社文庫)も、翻訳で上・下巻ではあるが何巻もあるシリーズではない。個々の歴史的事実を積み上げて知識を構築していくというよりも、歴史の大きな流れを俯瞰して掴み取るタイプの本だ。

 「世界史」の本というには趣向が特殊だが、少し前に話題になったジャック・アタリの『21世紀の歴史』(作品社)もそうだといえるかもしれない。今、こうしたタイプの歴史書が好んで読まれるのはなぜか?

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筆者

福嶋聡

福嶋聡(ふくしま・あきら) ジュンク堂書店難波店店長

1959年生まれ。京都大学文学部哲学科卒。1982年、ジュンク堂書店入社。サンパル店(神戸)、京都店、仙台店、池袋本店などを経て、現在、難波店店長。著書に『希望の書店論』(人文書院)、『劇場としての書店』(新評論)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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