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菊地直子、高橋克也、福田和子、市橋達也、木嶋佳苗……逃走犯の顔から見えるもの

西森路代 フリーライター

 6月3日、サリン製造に関与した罪で、オウム真理教の菊地直子が逮捕された。教団で活動をしていた20代の頃は「走る爆弾娘」と呼ばれていたが、40歳となった逮捕時は、以前のようなふっくらした面影はなく、頬も痩せこけて別人のようになっていた。彼女と一時期同居していて、現在も逃亡中の高橋克也に関しても、その顔の変貌ぶりに驚かされた。

菊地直子容疑者。逮捕されたあと(左)と1995年当時

 とにかくふたりとも顔がまったく変わっていたのだ。しかも高橋に関しては眉毛などを抜いた可能性があると指摘されているが、菊地に関してははっきりとした証拠はないものの、整形ではないと専門家が発表していた。 

高橋克也容疑者の公開された顔写真(左)と1993年当時

 ここで気になるのが、これまでの犯罪者の顔についてだ。1982年の松山ホステス殺害事件の福田和子は、およそ15年に渡る逃走劇の末、1997年に逮捕された。彼女は東京都内の病院で整形手術を受けていたというが、整形前の写真と捕まったときの写真を見て、「まるで別人みたい!」と感じた人はほとんどいなかったと記憶している。

 写真を今になってネットで検索して比べてみても、髪型もまったく違うし、加齢によって顔の輪郭なども変わっているにもかかわらず、写真から「私こそが福田和子だ」とでもいいたげな存在感が漂ってくる。彼女をモデルにした映画のタイトルが「顔」だったのも納得だ。

福田和子元受刑者。右は整形手術前

 和子のほかにもう一人、2007年に犯した英会話学校講師殺害事件で2009年に逮捕された市橋達也もまた、どんなに整形によって手を加えても、その存在感を消すことをできなかった顔を持っていた。

 市橋は名古屋の美容形成外科で一重まぶたを二重に、鼻を高くして下唇を薄くしたと言われているが、実はその前にも整形をした形跡があったと病院側は語っている。だが、捕まった市橋は、パーカーのフードを目深に被っていて、鼻の下から口元までしか露わになっていなかったにもかかわらず、見ている私たちには「市橋」そのものだった。

市橋達也被告の整形手術前に撮影された写真(左。千葉県警は写真公開時に口ひげとあごひげを画像加工で消した=千葉県警提供)。右は死体遺棄容疑で送検されたときの市橋達也被告(2009年11月12日)

 逃走犯ではないが、木嶋佳苗についても、その顔を振り返ってみたい。

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